第三の終章/PUBLISH OR PERISH
米1974/1/18 日1974/12/14
監督 |
ロバート・バトラー |
脚本 | スティーブン・J・キャネル |
ゲストスター |
ジャック・キャシディ
声:田口 計 |
犯人の職業 | 出版社・編集者 |
被害者 | 1. 作家/アラン・マロリー
2. 爆弾マニア/エディ |
殺害方法 | 1. エディに射殺させる
2. 部屋ごと爆破 |
by T.O.
セックスネタを売り物にするグリーンリーフ出版の総統、ライリー・グリーンリーフ
(ジャック・キャシディ)は、彼自身が見出し育てた売れっ子の作家、アレン・マロリー
(ミッキー・スピレーン)が新作と共に自らのもとを去ろうとしているのを
黙って見過ごすつもりはなかった。
マロリーとしてはグリーンリーフ出版との契約が後3週間で切れるのを機に、
大手のニール出版社と契約するのは至極妥当な選択。
既にエージェントのアイリーン・マクレア(マリエット・ハートレー)を通じてニール出版社社長、
ジオフリー・ニール(ジャック・オーブション)らと移籍後初作品となる筈の『サイゴンへ60マイル
(Sixty Miles to Saigon)』の打ち合わせを終えていた。口述による原稿執筆も最終段階だ。
そのマロリーに背後から忍び寄る1人の男。彼の名はエディ・ケーン(ジョン・チャンドラー)。
ベトナム帰りの帰還兵だ。戦場で精神を病み、爆破に取りつかれたエディは爆弾に
関するあらゆる知識を詰め込んだ原稿をグリーンリーフに持ち込んでいた。
そしてその原稿の出版化への見返りとしてこの殺人を請け負ったのだ。
ベトナムの地獄を見た彼にとって、作家1人ぐらい何の造作もない事だった。
その頃グリーンリーフはエンシノのバーに居た。彼はそこで泥酔いの演技をし、
老夫婦の運転するワゴン車にバックで追突。悪態を吐いた末、自動車保険の連絡先を教えて
その場を立ち去った。自らは酔っぱらって今夜の事は何も覚えていない事にするため、
この事故が彼の不在証明を唯一立証するのだ。
さらにこの殺人事件がグリーンリーフ自らへの濡れ衣を着せようとするものであるかのように
みせかける細工も施していた。
by なぽべん
まず韻を踏んだ原題が洒落ている。
PUBLISH OR PERISH(「出版か、死か」)。爆発とともに現れるクレジットも格好いい。
マロリーに忍び寄るエディと、グリーンリーフ(J・キャシディ)のアリバイづくり、何も知らずに口述筆記する
マロリー。この3人を分割画面で描写。分割画面は
「指輪の爪あと」にも使われていたが、3つともなるとちょっと見にくい。
「自分の経験を文庫本にでも…」と言っているコロンボ、ラストシーンでタイプしているのは
「野望の果て」の一件。
ジャック・キャシディは「構想の死角」に次いで2度目の犯人役。この後「魔術師の幻想」でも犯人役を。
被害者の作家マロリー役にはミッキー・スピレーンが扮している。
1997年記