上空から眺めるウェストミンスター寺院、ビッグ・ベン、テムズ川…。コロンボ警部が唯一、
アメリカ大陸を離れてヨーロッパはイギリス、ロンドンで活躍する一遍。
ロイヤル・コート・シアターでは、サー・ロジャー・ハヴィシャム製作によるシェイクスピア4大悲劇の1つ、
『マクベス』の初公演を明日に控えリハーサルは大詰めを迎えていた。
主演のニコラス(リチャード・ベースハート)、リリアン(オナー・ブラックマン)・フレイム夫妻が
ついに掴んだこの大役。
演劇界の大物製作者、サー・ロジャー(ジョン・ウィリアムス)から、リリアンが色仕掛けで資金を釣りだし、
ようやく得たチャンスだ。
夜のロンドン、雨。
1人の老人がリリアンの楽屋に現れた。サー・ロジャーだ。リリアンは驚く。
公演前日には姿を見せない事で有名なのだ。彼女は精一杯の媚びを売って彼を迎える。
だがもう遅かった。この老人は自分が利用されたことを知ってしまっていたのだ。
ニコラスも加わりサー・ロジャーをとりなそうとするが、老人は2人を罵り、遂に公演中止を口走る。
3人はその場でもみ合いになり…老人のみが倒れた。
2人は彼の死体を衣装箱に入れ、リハーサルが終わるのを待ってサー・ロジャーの屋敷に運ぶ。
そして執事タナー(
ウィルフレッド・ハイド=ホワイト)らに見つからぬように屋敷に忍び込むと偽装工作を行った。
翌日、ヒースロー空港ではヨレヨレのレインコート男を着た挙動不審の男が
“カミさんの”スーツケースを探していた。コロンボ警部、ロンドン到着である。